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これを読めば理解できる!KDPセレクトのまとめ

      2019/02/07

KDPは、本当に便利なシステムです。これまで敷居が高かった出版のハードルを劇的に下げてくれました。

ただ、システムやルールが複雑であるという欠点を持っています。
特に分かりづらいのが、KDPセレクトというものです。

kdpセレクトのまとめ

アマゾンで電子書籍を出版する際に、誰もが一度は迷う“KDPセレクト”についてまとめさせていただきました。

※この記事を読むだけで、KDPセレクトの登録のメリット、デメリットについて、ほとんど理解できるように作りましたので、ご参考にしていただければと思います。

 

目次

KDPセレクトとは

まず、KDPセレクトとは何か?についてですが、アマゾンのサイトに行くとKDPセレクトとは、下記の説明が書かれております。

KDPセレクトは任意に登録できるプログラムです。このプログラムを利用することによって、読者を増やし、多くの収入を獲得する機会を得ることができます。 Kindleストアに本の独占販売権を提供していただくことで(これはKDPセレクトに本を登録するための必須要件です)、Kindleオーナー ライブラリー(KOLL)に本を登録することができます。本の貸出回数に基づいて基金から分配金が支払われます(支払額の計算方法はこちらでご確認ください)。現在、Kindleオーナー ライブラリーは、Amazon.com、Amazon.co.uk、Amazon.de、Amazon.fr、およびAmazon.co.jpの読者に対して公開されています。さらに、KDPセレクトでは、Kindle Countdown Deals(本の期間限定割引)や本の無料プロモーション(世界中の読者に期間限定で本を無料配布)などの新しいプロモーションツールを利用することもできます。著者と出版者は、一冊の本、カタログ全体、または複数の本をKDPセレクトに登録できます。本をKDPセレクトに登録することで、ブラジル、日本、インドおよびメキシコのお客様向けの販売に関して70%のロイヤリティを獲得する権利が発生します。

※参考元:KDPセレクト

これを読んで、一発で理解できた人はすごい賢い方ですね(笑)

で、少し分かりずらいので、
上記の説明文をもう少し要約すると、

KDPセレクトというものは、

『読者数と収入を増やせる任意のプログラム』であり、
いろいろな特典(無料キャンペーンや70%のロイヤリティなど)が利用できるが、
アマゾンに『独占販売権』を提供する必要がある販売プログラム

のようです。

これでもまだよく分からないと思いますので、下記にもっとわかりやすく、KDPセレクトに登録するメリットとデメリットという観点からご説明します。

 

KDPセレクトに登録するメリット

まずは、KDPセレクトに登録するメリットについてです。

KDPセレクトに登録するメリットは、大きく分けて3つあります。

1)ロイヤリティが70%になる
2)90日毎に5日間の無料キャンペーンが利用できる
3)プライム会員に無料レンタルされると分配金が支払われる

簡単に一つひとつご説明していきます。

    1. ロイヤリティが70%になる

 

おそらく、この理由がKDPセレクトに登録する理由のダントツナンバーワンの理由だと思います。

KDPセレクトに登録しない場合は、35%のロイヤリティの選択しかできませんが、KDPセレクトに登録すると,日本とブラジルとインド、メキシコの4カ国で販売した書籍のロイヤリティが70%になります

この高いロイヤリティが、アマゾンで電子書籍を出版する理由の一つです。
(※そして、そのためには、KDPセレクトの登録が必須となります。)

    1. 90日毎に5日間の無料キャンペーンが利用できる

 

続いてのKDPセレクトのメリットは、無料キャンペーンについてです。

KDPセレクトに登録することで、5日間の無料キャンペーンを利用することができます。

また、このキャンペーンは、90日毎に利用できるので、5日間を使い切ってしまっても、3ヶ月ごとに利用することも可能です。

無料キャンペーンについては、下記の記事もご参考にしてください。

KDPセレクトにて無料キャンペーンを実施する
電子書籍を3日間の無料キャンペーンにて、1000冊以上配布した方法

    1. プライム会員に無料レンタルされると分配金が支払われる

 

最後のメリットは、無料レンタルと分配金のお話です。
(この当たりからちょっと複雑な話になるのですが、できるだけわかりやすくご説明します。)

まず、無料レンタルとは何かというと、アマゾンでは、Kindle端末を持っている方でAmazonのプライム会員様向けに、“1ヶ月に1冊、好きな本を無料で読める”という特別な貸出しプログラムを用意しています。

このプログラムはKindleオーナー ライブラリーと呼ばれるものです。
Kindleオーナー ライブラリー

そして、もし、あなたの出版した書籍が、アマゾンプライムの会員さんにレンタルをされた場合は、アマゾンから“分配金”という形でロイヤリティが支払われます。(つまり、書籍が無料レンタルされたからと言って、ロイヤリティが支払われないという訳ではありません。)

また、分配金の計算は、無料レンタルされた回数とアマゾンが毎月積み立てている基金を元に計算されて支払われるため、実際にいくら支払われるかは、その月々で異なります。

※毎月の基金の金額はこちらからご確認いただけます。
https://kdp.amazon.co.jp/select
(※2014年4月の基金は、1億2000万円でした。)

 

KDPセレクトに登録するデメリット

さて、これまで、KDPセレクトのメリットについて、いろいろとご紹介してきましたが、ここからはデメリットについてもご紹介していきます。

KDPセレクトに登録するデメリットは、大きく下記の3点が挙げられます。

1)販売元はアマゾンだけの独占販売となる
2)販売価格に制限がある
3)配信コストがかかる

    1. 販売元はアマゾンだけの独占販売となる

 

最初のデメリットは、KDPセレクトに登録することで、他の電子書籍の販売プラットフォームでの販売が出来なくなる点です。

これは、例えば、iBookstoreや、Google Playsなどの他のプラットフォームでの書籍の販売ができないことを意味します。

※ただし、現状のアマゾンの利用数やシェアを考慮すると、アマゾンだけの販売でも問題ない気もしますが、“どうしてもアマゾン以外でも販売をしたい”と考えている方は、KDPセレクトへの登録ができません。

    1. 販売価格に制限がある

 

また、KDPセレクトに登録して、ロイヤリティを70%に選択する場合、電子書籍の販売価格にも制限が設けられます。

具体的には、販売価格を、250円~1250円の間に設定する必要があります
※ロイヤリティを35%にした場合は、99円~20000円となります。

※ご参考:希望小売価格の要件

こちらの制限によって、現在、アマゾンで販売されている多くの電子書籍の価格が、“250円”で設定されているのです。

    1. 配信コストがかかる

 

最後のデメリットは、配信コストについてです。

ロイヤリティを70%に選択した場合、電子書籍の配信コストがかかります。

このコストは、各国によって規定が異なりますので、日本の規定についてだけご紹介させていただきます。

・日本の配信コスト:1MB当たり1円(ファイルサイズが10MB未満の場合)
※また、ファイルサイズが10MB以上の場合は、なぜか無料になります

つまり、配信コストがMAXでかかっても、10円までの費用ということになります

※ご参考:価格設定

 

KDPセレクトへの登録・更新/解除方法

さて、ここまで読まれた方は、KDPセレクトの概要や、登録するメリットとデメリットを大体理解いただけたと思います。

最後に、実際のKDPセレクトへの登録方法をご紹介します。

KDPセレクトへの登録方法は非常に簡単です。

KDPシステムへログインして、『KDPセレクトに登録する』

これだけです。

▼ご参考画面
kdpselect_check

※とても複雑なプログラム内容なのに、登録方法は非常に簡単ですね(笑)

また、KDPセレクトの更新や解除の方法については、KDPセレクトは、90日間の自動更新となりますので、更新については何もする必要はありません。また、KDPセレクトを解除したい場合は、『KDPセレクトに登録する』のチェックを外して再出版処理を実施するだけです。

追記:Kindle Unlimited導入について

2016年8月3日より日本でも、月額読み放題サービスのKindle Unlimitedのサービスが導入されました。これにより、KDPセレクトに登録された電子書籍は、Kindle Unlimitedの書籍に登録されるようになりました。Kindle Unlimited制度については以下のページをご確認ください。

以上、KDPセレクトについて、詳しい内容をご紹介させていただきました。

※この記事を全部読んだ方は、KDPセレクトの概要の把握と必要なポイントを抑えることができたと思います。

 - マメ知識


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