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小説『徐福(じょふく)の千夜一夜物語』


  • 時:::二〇一六年十一月某日夜から某日夜の十夜。
  • 所:::東京の某大学の授業が終わった後の教室。
  • 語り部:徐福と名乗る老人。

第一夜 徐福が「徐福伝説」を語る──始皇帝と徐福

徐福の像

 (中国の検索エンジン百度百科に載っている徐福の石像。)

──こんばんは。

 さて、自己紹介するとしようかのう。

 わしは『徐福』、またの名を『徐市(じょふつ)』と言う者じゃ。字(あざな)は『君房』じゃ。

 生まれたのは、この平成の世を去ること二千二百数十年ほど昔の、現在の中国じゃ。

 当時の中国は、後の歴史で『春秋戦国』と呼ばれる時代で、その内の『戦国時代』に生を受けたのじゃ。戦国時代は『戦国の七雄』と呼ばれる七つの国が、それぞれが「覇を唱えん」ものとして相い争っていた時代じゃ。

 知っているとは思うが、「覇を唱えん」とは、お山の大将になりたいという意味で、現在 米国や中国のやっているようなことじゃよ。

 わしが生まれたのは、その『七雄』の一つの『斉』という国の『琅邪(ろうや)』というところで、現在の中国で言えば、江蘇省連雲港市の片田舎の『徐福村(現、徐阜村)』じゃ。

 なお、歴史には別に古い「斉」と言う国があるので、『田斉』と区別することもある。

 とにかく、気の遠くなるほど遥か昔のことじゃった。

 なお、現代の中国には  “ Google ” や “ Yahoo ” のような米国や日本で一般に使われている検索エンジンは使用が禁止されており、それに代わる世界最大の検索エンジン「百度百科百科」というものがある。

 これで徐福という名前を入れて検索すると、何と何と驚いた事に徐福とは‥‥、

「徐福是不是日本的神武天皇?」で「秦著名方士。他博学多才,通暁医学、天文、航海等知識」とある。

 即ち、現代中国では、徐福は「秦」の時代の卜筮、医術の方術を行った方士で、博学多才な上に天文や航海術などにも長けており、日本の初代神武天皇ではないか?とされる人物なのじゃ。

 詳しくは後で話すが、どうじゃ、大変な人物じゃろう。驚いたか!

──何じゃと、何故そんな昔に生まれた人間が今の世に、このようにして、皆の前で話が出来るのかだと? 

──そこなのじゃ。わし徐福については、有名な伝説があるじゃろう。その伝説の中に、わしの秘密があるのじゃ。その秘密は後程明かそう。

──なになに、おぬし達は徐福伝説など知らぬだと!

 さてさて、平成の若い者は、本を読まないと聞いておるが困ったものよ!

 まあよいじゃろう。それから説明しよう。

 徐福伝説というのは、数えきれないほど沢山あって、中には書かれている本人のわしが、「徐福は初代神武天皇」などのように、腹を抱えて笑ってしまうようなものがあるのだから、ここらで本人のわしが本当のことを話してみようぞ。

 何しろ二千二百年にわたる長い、長い話じゃ。一日や二日ではとても話しきれない。

 本来ならば、アラビアン・ナイトの『千夜一夜物語』のように、千日も掛けないと話しきらないのだが、今回は特別に今夜から十日間かけて、おぬし達のような若い衆に興味のありそうな話題に絞って話してみることにしましょうぞ。

 

《始皇帝との出会い》

 では、これから第一夜の話を始めよう。

──先ず、始皇帝との出会いからじゃ。

 戦国時代の終わりになって、それまで勝ったり負けたりしていた七つの国の中の秦という国の王に、『政』という名前のとんでもない奴が現れたのじゃ。

 この政は若いくせに戦が強くて、またたくまに諸国を攻め滅ぼして、紀元前二二一年に、最後に残ったわしの国の斉までも攻め取って、『中国初の統一国家』を作り上げてしまった。

 ──この辺のことは学校で習って知っているな‥‥。

 もともと、秦は斉の国からみればば蛮族でのう、わしら中原に住む文化の高い国々とは風俗習慣が違っており、軽蔑していたのじゃが、何しろ戦が滅法強い。残念だが、従うほかはない。文句を言えば、すぐさま首がなくなるからな。この世の中は、矢張り強い奴には勝てないというのが、二千二百年以上も生きてきたわしが学んだ真実よ。

 ここで、わしが秦を蛮族と言うたのには理由があるのじゃ。

 これは、わしの後の話に大いに関連があることだから、覚えておいて欲しい。中国の古文書に‥‥、

「秦は東遷した羌(チャン)人と中原の人の末裔であると説くものがあり、秦の祖先は『戎(ジュウ)』である」とも書かれておるのじゃ。

 戎は「えびす」とも読み、中国の西部に住む遊牧の野蛮人として、当時の中原の諸国は軽蔑しておった。十年ほど前の二〇〇八年に、大地震に襲われた『阿壩(アバ)・チベット族チャン族自治州』のチャン人の先祖でもある。

 『中原』とは、『中華文明』の発祥の地の黄河中下流域にある平原の、異民族から隔てられる『文明の中心地』という意味じゃ。どうも、後に漢民族となるこの地に住む連中は、このように常に自分達が世界一と考えるプライドばかりが高い悪い癖がある。わしも漢民族になる訳じゃが、これが我々の最大の欠点と常に反省しておるところじゃ。

 さて、この政という男が、中原を統一したということで、これからも秦が未来永劫続くようにと願って、何とまあ!自分で『始皇帝』という大層な名乗りを始めたのじゃ。即ち、未来永劫続く秦王朝の初代皇帝という意味じゃ。

 この秦という名前が近隣諸国から遠い国々へ伝えられて行くうちに、“Chin”となり、今の英語の“China”となったということは知っておるな。“China”は、即ち『シナ』よ。余分な話になるが、フランス語では“Chine”と書いて「シナ」と発音する。

 戦後の日本では、どうも支那と書いたり、「シナ」とよんだりしては拙いようだが、本来は「支那」若しくは「シナ」と呼ぶべきかとわしは思う。

 

 話が横に逸れたが、この始皇帝とわしの関係が徐福伝説の中心になっておるのじゃ。

 この徐福伝説をかいつまんで話せば‥‥、

「瀛州というところに不老不死の霊薬があると始皇帝をだまして巨額の金を出させ、三千人の童男女(男女の若者)と百工(多数の技術者)や巨額の財宝、五穀を数百隻の船に乗せて東方に船出し、平原広沢(広い平野と湿地)を得て王となり戻らなかった」というものじゃ。つまり、わしは稀代の大詐欺師という話じゃな。

 そもそも、この伝説は前漢時代の司馬遷という、それはそれは偉い歴史家が、わしが船出してから百年も経たない後の時代に、『史記』という有名な歴史書に書いたところから生まれたのじゃ。

 史記については、わしが実在したことを証明する一番重要な歴史書じゃから、念のために少々詳しく話しておこう。

始皇帝の画像

(上、始皇帝。下、司馬遷。百度百科より)

著者紹介
山本肇

1936年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。
三菱重工業㈱を経て独立。中国、香港、台湾、韓国、米国などで事業を展開する。病を得て引退後17年間オーストラリアで暮らし2014年に帰国する。

ビジネス書に「日本経済をチャイルド・ショックが襲う」「少子亡国論」などの他、近著に「新少子亡国論」「九尾の狐と楊貴妃と吉備真備の称徳天皇暗殺秘録」「尖閣諸島沖大会戦」他がある。

「アンディ 大和」の筆名で、小説「南十字星の夢」「ゴールド・コースト連続殺人事件」他。

目次

第一夜 徐福が「徐福伝説」を語る──始皇帝と徐福
《始皇帝との出会い》
《司馬遷(しばせん)と『史記』》
《徐福も諸葛孔明も方士だった》
《焚書坑儒(ふんしょこうじゅ)》
《徐福が始皇帝と面会して騙す》
《中国四千年の歴史は大嘘》

第二夜 船と航海の話──古代にも巨大木造船はあった
《古代の船の話》
《木造船の話》
《指南(しなん)と羅針盤そして風水》
《徐福が倭人に出会う》
《童男女募集》
《第一回の東渡(とうと)に船出》
《遂に倭に上陸》
《博多湾と有明海は『針摺瀬戸(はりすりせと)』で繋がっていた》

第三夜 徐福が倭で驚いた──倭には鉄が豊富にあった
《倭の文化の高さに驚いた》
《吉野ヶ里》
《土井ヶ浜》
《青銅と鉄。『餅鉄(べいてつ)』の秘密》
《ヒスイと勾玉の話》
《漆と荏胡麻(えごま)の話》
《絹の秘密。養蚕は徐福がもたらした》
《馬も徐福が運んで来た》

第四夜 徐福が倭の文字に驚くこと──神代文字(じんだいもじ)はあった
《神代文字と『富士古文献』》
《神代文字が偽物とされる理由》
《漢字伝来の嘘》
《漢字の伝来の証明は「はず」ばかり》
《歴史は勝者の歴史》
《日本書紀成立の背景》
《神代文字抹殺の真相。天武王朝と百済亡命官僚の陰謀》

第五話 徐福が二回目の東渡に出発──始皇帝をたぶらかす
《徐福が帰国を準備する》
《南路は難路だった》
《古代の日中間交通路》
《始皇帝との再会と始皇帝暗殺》
《始皇帝が羌(チャン)の若者を推薦する》
《徐福、遂に大移民に成功する》
《倭での新生活がスタート》

第六夜 仙人との出会い━━仙術と本草の修行
《子不語怪力乱神》
《仙人との出会い》
《仙術修行》
《超能力=仙術の解説》
《倭の仙術修験場》

第七夜 「不老不死」の仙薬──本草の研究
《薬草談義》
《徐福が発見した薬草》
《薬草・薬石四方山話(よもやまばなし)》
《仙丹は毒薬》
《修行を終えて英彦山を去る》
《『東渡』は倭人に大きな影響を与えた》
《徐福が『東行』を開始する》
《女護が島と男島》

第八夜 徐福東へ行く──冠岳・串木野・坊津・日向・紀伊へ
《冠岳(かんむりだけ)に登り神々に感謝する》
《日向(ひゅうが)を後に徐福が東行する》
《新宮と熊野、それに大峰山》
《『不死山』と『不二山』そして『富士山』》
《熱田から東三河へ》
《不死の山で仙女に出会う》
《徐福の子孫と世界文化遺産登録の動き!》
《徐福、鶴となって飛び去る》
《不老不死の薬の秘密》

第九夜 徐福が仙女と宇宙へ旅立つ──パンドラでの十年
《浦島伝説は本当にあった話》
《徐福、宇宙へ行く》
《仙女が語る人類の真の歴史》
《アトランティスとパンドラ》
《宇宙誕生と生命の起源の真相》

第十夜 徐福が武内宿禰に変身する──倭の危機を徐福が救う
《倭國大亂》
《宇宙間交通。光速航法とワープ航法》
《日本書紀と中国の正史の矛盾》
《邪馬台国は北九州にあった。その証拠は卑弥呼の絹》
《徐福と仙女が『倭』の大亂を平定する》
《徐福と仙女が朝鮮へ行く》
《不倫騒動》
《徐福は天皇家の祖ではない》
《神功皇后=仙女=かぐや姫(赫夜姫)》
《仁徳天皇の仁政は徐福の功績》
《盟神探湯(くがたち)》
《聖徳太子も坂本龍馬も徐福の変身だった》
《徐福の予言と箴言。人類滅亡の危機》
《徐福が日本民族と人類を救う計画をあかす》

(あとがき)

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