電子脳アルファの夢 あらすじ
概要紹介
プロローグ

 昔、銀河の旅に出た宇宙船ソルガーンの話を人々はほとんど忘れている。当然だろう。あれから、もう三百五十年も経つのだから。

 巨大な宇宙船ソルガーンが、あてもない銀河の旅に出た目的は、世界の人々の夢のひとつを実現することだった。それは地球の生命と文明を遠い星に移植することだった。銀河の彼方に良好な環境の星を見つければ、そこに地球の生命と文明を移植できる。しかし、もしかしたら、そんな星は発見できないかも知れない。

 最高の科学力を駆使した賭け事のような計画だった。

 巨大な宇宙船ソルガーンが宇宙の旅に出た時から数十年後に、不運にも地球は大きな災害に襲われた。直径二キロの彗星が突然、地球を直撃する軌道上を進んで来た。人類は超巨大核ミサイルを短期間に作って、その彗星の中央部分に撃ち込み、その直撃を回避した。しかし彗星の破片により広い地域が破壊され二百万人以上の人命が失われた。

 しかもその十八年後に突然、地球内部のマグマの流れに、激しい乱れが起きた。それに対し人類は全く対策がとれなかった。地球の大陸を支えている全ての巨大プレートはマグマの乱流を受けて歪み、多くの箇所で亀裂を生じて割れ、膨大な数の都市が破壊された。

 地球人類はこの前代未聞の災害に打ちのめされ、その後、何世紀にもわたり人々は貧しく厳しい生活を送ることを余儀なくされた。

 その混乱した時代の中で、世代は交代していった。人々の脳裏から宇宙船ソルガーンの記憶は薄れ、 そして歴史書には厳しい言葉が記録された。

「 宇宙船ソルガーンの建造は不要な巨大出費だった 」

 それは当然な成り行きといえるだろう。

 

 良き古き時代だった。戦争は無く、酷い自然災害も無い時代が三百年以上続いていた。

 宇宙船ソルガーン建造の巨大プロジェクトは膨大な予算を必要とした。しかし地球連邦の貯えも膨大で、この計画は地球連邦議会において簡単に承認された。

 各連邦から選ばれた優秀な科学者たちによりプロジェクトチームが短期間で構成され、計画はスタートした。完成まで十二年間の予定に対し数年間の遅れがあったものの、完成した宇宙船ソルガーンは、まったく非の打ち所の無いものだった。

 西暦二千二百五十年の秋、十二A宇宙基地は十万人を超す人々の歓声に包まれた。

 宇宙船ソルガーンは盛大なセレモニーの後、打ち上げられ、大気圏の彼方に消えていった。地球の衛星軌道を回る宇宙ドックの中で巨大な推進装置と結合され、太陽系を離れていった。

 巨大宇宙船ソルガーンは百数十年の旅路を経て、銀河の中に美しい惑星を見つけ、旅を終えた。そこで地球から運んできた生命と文明が密かに育っていった。

 そして、そこに、地球の人々が知らない物語が生まれた。


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