高度10キロメートルの告白 ご購入はこちら
舞台は日本。

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書籍のご紹介動画


本の概要・紹介文

小さな頃からただひたすらに恋焦がれていた相手。
自分なんかが手に入れてはいけない、あいつはそんな安い男じゃない。
自分が諦めればいい。
そんな切ない想いで、必死に自分の気持ちに蓋をしていた悠は、二人をじれったく思う仲間によって、奇跡の瞬間を手に入れた。
そんな二人がさらなる扉に手をかける。

舞台は日本。
不夜城と呼ばれる新宿で、匂い立つ花を守るその男は、まるでイージスの盾の様だった。

書籍冒頭のご紹介

プロローグ

夢はかなうものだと、初めて知った。元来神様なんか信じていない俺にとって、良い事と悪い事は同じ確率で起きると思っている。涼に恋して三〇年以上、涼のそばから離れたくないと思う一方、幸せにできるのは俺なんかじゃないと思ってきた。みっともないほどしがみついて、得たものは仕事のパートナーという不動のポジション。

それだけで余るほどの幸せ。

この段階で、これ以上いい事なんか起きない。

反動が怖い。

それなのに、結婚?

目の前のこの男はにやついた顔で、見下ろす様に俺を見ている。

ベッドにドカリと胡坐をかき、俺を呼ぶ。

「悠」

この顔にこの声は反則だ。

「なんだよ」

ツンデレの自覚のある俺は、なんだかんだと素直になれない。

「膝枕したい。ここに来い、悠」

涼はいつでもどこでも恥じとかない。

羞恥心って言うすごく大切な感情を小さな頃に落としてきている気がして、心配になる。

未だに結婚の実感の湧かない現実に戸惑いを隠せない俺をみて、涼はアホな事を言い出した。

「新婚初夜だな」

「違うだろ」

俺は存外冷静に答えた。

「初夜だよ」

「散々セックスしてて?」

「ああ、全く違う」

「どこが」

「情緒のないやつだ」

情緒なんか知らない男が、一番似合わない言葉を言う。

「お前にだけは言われたくないと思っているよ」

「堂々と開発できるだろ」

はぁぁぁぁぁぁ?

俺はどこから出たのかわからないような素っ頓狂な声をあげて、その場に固まった。

「ちょっと待て開発って……」

「そう、勿論、悠の身体を開発するんだよ」

「絶対に嫌だ」

「俺の夢、応援するんだろ?」

オールバックにかき揚げた黒髪は風呂上がりで、まだしずくが滴っている。

「世界一になる夢は、いくらでも応援するし、力も貸す。でもこれは違うだろ?」

「違わねーよ。俺とのセックス好きだろう」

「それはそうだけど」

「俺も」

「俺もじゃない……」

「これも俺の夢の一つ。一生添い遂げる相手を俺なしじゃいられない体にしたいんだ。もう二度と離れられないように」

「離れたりしないから、冗談はやめてくれ」

「冗談なんかじゃないよ。もう逃げないでくれないか」

俺は気をそらそうとテレビの電源を入れた。

青白く光ったように見える捕食者の目に足がすくみ、手の先までこわばり何度も空唾を飲み込む。 

「往生際が悪いぜ。愛してるよ、悠」

「涼……」

調教してやる位の勢いなのに実際はなんかとても甘く、今までの動物的なセックスはなんだったのかって思うくらいだ。

見たくもないテレビをつけた俺の手を、リモコンごと掴むと、耳元でふっと息を吹きかけられた。

甘い空気に大好きなバリトンボイス、不必要なテレビの音さえスパイスになっている。

「テレビ見たいのか?」

「ああ」

とっさに嘘がでた。

「嘘はダメだぞ? 悠」

「別に嘘とかついてないし……」

涼がおもむろにベッドから立ち上がり、何やらテレビの下を探している。

「何をしてるんだ?」

「あー、お宝映像その①だ」

立ち上がりディスクを入れ、再生ボタンを押した。

目次
  1. プロローグ
  2. イージスの盾
  3. 夜間飛行
  4. 後書き
著者紹介
赤井ちひろ

5月24日生まれ

神奈川県出身

玉川大学演劇専攻卒

イタリアンを専門に生きるBL作家

料理やワイン、サービスマンの絡む現代BL

趣味・ロード【観戦】・宝塚観劇・そしてご飯を食べるように日々BL

SМ、拗らせ、純愛、調教、オメガバース書いてます

ドエス甘々攻め×ツンデレ受けが人生のメインテーマです

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