老いぼれマスター ご購入はこちら はつらつ奮闘記
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本の概要・紹介文

リタイア後には喫茶店を始めたい。
その思いで夢の実現に向かって数多くの喫茶店に行って繁盛店を研究し、喫茶店の学校に入学して経営と珈琲の淹れ方をしっかり勉強し、自宅を苦労して改造した。
オープン間際になっておいしい珈琲の味が分らなくなったがなんとか喫茶店オープンにこぎつけた。
オープン後、お客さんが少なくて落ち込む日々が続いた。
これからやっていけるのかと苦悶した。
ある契機でお客さんが増えてきたので「いける」と喜んだ。
手に入れた夢は楽しい趣味の世界であった。
お客さんとの本気でのやりとり、困ったことなど、毎日が生きがいとなった。
今なお老いぼれマスターははつらつと奮闘している。

書籍冒頭のご紹介

プロローグ

気になるお客さん

時々、珈琲を飲みに来てくれるおばさんが今日も来てくれた。

「マスター、ここのコーヒーはおいしいわ、ねえマスター、どう思う? うちの主人がゴルフに行って汗をかいて帰ってきたので着替えたらと言うと『どうせこれからスポーツジムに行くからいいわ』と言って着替えないの。汗をかいたシャツを着ていたら気持ち悪いのにどうして着替えをしないのかね。洗いたてのシャツを着たらパリッと気持ちがいいのにね」

私はそのご主人と同じ口なので「そうですね」とだけ言って苦笑した。汗かいた本人は別に気持ち悪いとは感じていないし、ただ着替えるのが面倒くさいだけなのだ。

 

ほぼ毎日、出勤前に当喫茶店で珈琲を嗜まれる先程とは別の奥さんが家庭で採れたからと言ってキュウリ三本とサニーレタス一束を差し入れてくれた。キュウリは少し曲がっているけど食べるに何ら差し障りがない、水みずしくおいしいよと付け加えてくれた。見るからに採れたてで新鮮だ。このお客さんはたとえ台風が来る天気予報の時でも車が渋滞するからと早めに来店してくれる常連のお客さんである。お金を払って珈琲を飲むのに差し入れとは全く感謝感激である。

彼女は一渡り世間話をした後に、

「亭主は私には勿体ないほどできた人なの。だけど何でも私の言うことに反対して『違う』と言うの。この前も暑くなったねと言ったら『きのうに比べたら今日はそんなに暑くないわ』と言うのよ。暑いのにね。先の春も鶯が鳴いたのを聞いて鶯の色は茶色ぽいよと教えてあげたら『そんな訳ない、鶯はうぐいす色だ、茶ではない』と言い張るのよ。私は本を見て言っているのに。亭主を立てたいのでそれ以上言いませんがね。男の人は威厳を保ちたいのかしら」

私も何でも家内の言うことに「違う」と言う癖がある。しかし威厳を保とうとしているのではない。どこの家庭も同じなんだな。

 

暑い日だった。お客さんはキャップを被っていた。お客さんはお店に入ると帽子を脱いで帽子を右の椅子に置いて珈琲を楽しんだ。店内は冷房が効いて心地良かったのかしばらく休んでから帰って行った。テーブルを片付けて何気なく椅子に目をやるとキャップが忘れてあった。慌ててお客さんを追い掛けて探したがどこにも見つからなかった。二分も経っていない感じだったが、あっという間に居なくなってしまっていた。

暑い日だったのでキャップを被っていなければ忘れたことにすぐに気が付いて戻って来る筈なのに気が付かないなんて不思議だ。

さらに不思議な忘れ物がこの前あった。

雨降りの一日だった。土砂降りではなくショボショボと小雨が続いていた。お客さんは一人で珈琲を飲みに来て週刊誌を読んで二十分ほどで帰って行った。テーブルを片付けていると椅子の脇に濡れたビニール傘が忘れられていた。

慌ててお客さんを探したが見つからなかった。店の前にはアーケードがあるのでとりあえず傘は要らないがアーケードは短いのですぐに傘を置き忘れたことに気が付く筈だ。今も雨が降っているのに。「なぜ?」。捨てていったのかな・・・

目次
  1. プロローグ
  2. 第一章 喫茶店を始めるに当たって勉強時代
    1. (一)喫茶店への夢
    2. (二)喫茶店あれこれ
      1. ①豪華な喫茶店
      2. ②おいしいランチ
      3. ③その他
    3. (三)モーニングサービスあれこれ
      1. ①豪華なモーニング
      2. ②その他
    4. (四)カフェスクールへ通う
  3. 第二章 いよいよ開店
    1. (一)店造りに向かって
    2. (二)オープンに向かってゴー
  4. 第三章 開店とその一年の道のり
    1. (一)喫茶店オープン
    2. (二)その後はスローダウン
  5. 第四章 お客さんとのおもしろい出会い
    1. (一)困ったこと、いたずら
      1. ①ユニークなお客さん
      2. ②盗難
      3. ③失敗したこと
    2. (二)楽しいこと
      1. ①いろいろその他のお客さん
      2. ②お客さんとのつきあい
      3. ③最近あったこと
  6. エピローグ
  7. あとがき
著者紹介

著者:名部浩(なぶひろし)

1944年、岐阜市生まれ。岐阜育ち。名古屋大学卒業後、長年アパレル業界に身を置く。1996年、損保リサーチに身を転ずる。2005年、ロイヤルカフェスクールに入学し吉田文和先生に経営学、柄沢和雄学校長に珈琲全般を学び、修業する。2006年、、喫茶店を開業し現在に至る。

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