疲れずにどんな雪でも滑れる ご購入はこちら 発想逆転のスキー術
WONDER SKI TECHNIQUE

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本の概要・紹介文

「回転や停止の為に脚力を使わないスキーの滑り方」を長年研究・指導してきた経験を基に、具体的やり方とこつ、基本となる原理の解説、練習法を示したスキー技術書である。
 圧雪車で整備されたゲレンデでのパラレルターンやウエーデルン、カービングスキーなどを到達点と考えている従来の多くの技術書の滑り方では、状態の異なる斜面や雪質には対応できないことも多い。これはスピードを追求する競技や本邦での技術選などにおいて、卓越していたスキーヤーの力強い技術を模範として理論が組み立てられているからである。異なる条件下でも疲れずに楽々とスキーをする為には発想の転換を必要とする。
 本書では、力によって雪を屈服させるのではなく、雪と喧嘩しないスキー技術について解説している。即ち本スキー技術(WST)では、止めるのではなく止まるような位置に、曲げるのではなく、曲がるような位置に身体を持ってくるので、回転や停止に脚力を必要としない。例えば「谷回り回転では、回転後半の山回りの段階で、重心(身体)を回転弧の中に落とし込んでエッジを切り替える」ので、回転の際スキー板は身体の後からついてくる。
 このように早い段階でのエッジの切換により、スキー板は回転当初から雪面を切って進んで行くので、常時雪面に働きかけてはいるが雪からの抵抗は少ない。脚部は雪上のこぶを吸収するスプリングとしての役割と、足裏の雪の状態を感知するセンサーとしての役割のみを担うことになる。脚力により瞬時に雪面に力を加えてスキー板を制御する必要がなく、このため、回転の開始にも膝の屈伸などによる抜重のような動作を通常は必要としない。
 プルークやシェーレンのような開脚系およびパラレル閉脚系では、山側のスキー板の位置や方向に相違はあるが、ここで示す技術(WST)では、どのような系の場合も、「回転に際して体重をかける外側となるスキー板への乗り方には変わりがない」という統一的な回転理論を基にしている。従って初心者から上級者まで同一理論の下で一緒に滑って練習ができる。
 従来の技術とは異なり、真逆の身体の動きをすることが多いが、本書を読めば理論的裏付けがある技術であることが判り、整備されていない状態の斜面などを滑る場合でもイメージ通りの回転弧と快感度が高い足裏感覚が得られる。この技術では腰を折らない姿勢でスキー板の上に立ち、膝から上の上体の先行回転動作が技術のカギを握っている。またこの姿勢はほぼ自然に立ったまま状態に近く、腰を曲げた体勢で滑る場合と異なり疲れも少ない。
 本書ではこのような技術による滑り方の詳細を、従来の技術書では使われたことのない分かりやすい模式図を使って説明すると共に、その理論的背景や要領などを本文として解説している。加えて従来技術とは異なる鍵となる部分では、参考になる写真を掲載している。この方法で練習すれば長距離を疲れることなく快感度高く滑れるので、スキーをするのが一層楽しくなるはずである。本書を読めば、ここで示した技術が、スピードを追求するのを唯一の目的とはしていない一般スキーヤー、特にどんな条件下でも快感度高く楽々と滑りたい中高年のスキーヤーには、助けとなるものであることが納得できるであろう。
 本技術書では余分なスペースや記事を省略し、60数頁の濃度の高いコンパクトな編集がなされている。ただ本文の最後には、著者の自己紹介と本書が書かれた理由を説明した短いエピソードが、読み物として加えられている。

本文の冒頭紹介

スキー回転技術の考え方

回転の為には脚部を使わない

(止めない、曲げない、雪と喧嘩しない仙人のスキー術)

スキー板を身体に付けて、重力により雪の斜面を滑走するアルペンスキーでは、これを自在にコントロールして行くための技術が必要とされる。荷重によりたわんでエッジングしているスキー板の上に乗って足裏で雪面を捉え、早い時点でのエッジの切り替えにより雪面を切りながら自在に回転していく方法は、ほとんど総ての雪質や斜面に対応できる。操作は全て動的バランスの中で行われ、身体(重心)をイメージする回転弧の中に落とし込んで行くことにより、スキー板の山側のエッジを谷側に切り替えて回転を始動する。さらに膝を支点とした上体の回転方向への捻りをスキー板に伝えることにより、回転を促進する。これら2つの先行動作ができると脚力を無駄に使うことなく回転でき、脚部は雪上のこぶを吸収するスプリングとしての役割と雪の状態を感知するセンサーとしての役割を担うことになる。本書では、脚力を使って止めたり、曲げたりすることのないスキー術について述べるが、この技術を習得することにより停止することなく長距離を疲れずに何回でも滑ることが可能となる。
この技術(Wonder Ski Technique: WST)を支えているのが、スキー板を付けた時の体勢であり、後に述べる体軸である。足首を曲げて、脛を前方に倒し、股関節は曲げず膝の上に自然に立ったままの姿勢をとる。腰を後ろに引かない。滑走時には上体は少々前に傾くようにし、両腕は開き、ストックの先端が後方に向くよう軽く持ち上げて、腕を自然に体の前に持ってくる。膝から上の体躯、即ち上腿、腰、腹胸部、肩、頭、開いた腕(上体と定義)は、膝を中心に捻じる時に同じ角度を保って動かす。
一方、スキー板を付けた場合バランスを取るためには、手足は全て独立に動かすという意識が有用である。回転を始動する時、重心が両スキー板の間にあるので、スキー板の開脚が有利な場合もあり、無理してスキー板を揃えることを考えない。体勢が合理的な構えになれば、揃えることを意識しなくてもスキー板は揃う。例えばスキー板をハの字に開いたプルーク滑走でも、山回り回転に際してきちんと谷足に荷重し、外向外傾で谷側に向いている上体を山側に回しながら滑れば、自然にスキー板が揃ってしまう。
自分が抜重してスキー板を左右に移動させる回転とは異なり、本技術では、常にスキー板に乗って、これを進ませながらスキー板の中心で回転するので、その場で曲がるのではない。曲がろうとしてエッジを切り替えてもスキー板はそのまま進行方向へ進んでから回転してくるので、それまで一瞬待つ感覚が必要なのである。即ち本技術では、回転弧の中に重心を移してエッジを切り替え、上体の捻りがスキー板に伝わって回転が強まるので、身体(の重心と捻り)が先行し、スキー板は身体の後からついて来る。ホールライン(最大傾斜線)では身体の外側をエッジングしたスキー板が通過し、その後、スキー板が自分を追越して谷側に来る。これに伴って身体は瞬時外向するが、その後はスキー板の回転に伴い少し遅れて上体を山側に回しながらスキー板に乗続け斜面を上って行く。谷回り回転では、頭からスキー靴までを軸として、軸の先端に付けたスキー板(開脚では外側スキー板)が頭を中心に回転弧に沿って回るイメージの回転が、最も楽で効率が良い。

目次

著者紹介
著者名

1938年生まれ。仙台市出身。東京大学名誉教授、医学博士

若年時競技スキーに傾倒したが、滑降練習中の事故で左膝内側靭帯を損傷した。修復できない状態となったがスキーを続け、回転や停止の為には脚力を使わない本スキー術に到達した。

本業は生体防御機構(身体を守る仕組み)の解析を専門とする医科学研究者。現在でもがん治療法開発の研究活動に従事、国際誌に研究論文を掲載し続けている。

スキーのできる研究環境を選んで欧米に長期滞在、帰国後も機会をとらえて、世界各国のスキー場で研鑽を積んだ。

国内では長年、初心者から指導員、競技経験者を含む上級者と一緒に滑り、経験や感覚が異なる各個人に合った指導法を研究、その経験を基に本書を記した。

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