AI音声解説
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不思議な魅力を持つフレディ・マーキュリーは天才的な才能を開花させ、また、マイノリティの縛りを抜け、見事な生涯を駆け抜けます。
心の底に哀しみを持ちながら、自由を求め生きたフレディ 。
クイーンやロックを知らない方にも、興味深く読んでいただける物語です。
2023年のNHK紅白歌合戦に、クイーンの出場が決まりました。
2024年2月に、クイーンが来日します。ぜひ読んでほしい本です。
はじめに
クイーンのボーカリスト、フレディ・マーキュリーを主役にした映画『ボヘミアン・ラプソディー』が大ヒットし、アカデミー賞をいくつも受けるなど、華やかな話題がありました。また、日本でも、「ディスカバー・クイーン」をNHK-FM が、2021年四月から一年間放送していました。
ある意味、数奇ともいえる生涯を辿ったクイーンのフレディ・マーキュリーは、エンターテイナーとしてもショウマンとしても作詞作曲者としても天才的だった人です。深く知るほどにこの人について書かなければならない、という想いがしてきました。
時間を経ており、英国も遠く、本人にも会えません。一次資料にあたることは、ほぼ不可能です。幸いなことに、いろいろな筆者によるフレディ・マーキュリーについての本はたくさん出版され、翻訳されています。また、CD・DVD等でも、その解説が数えきれないほどあります。
なかでも、二十年近くインタビュー記事を集め、「フレディマーキュリー 自らが語るその人生」の著者グレッグは、
《フレディは【歌詞】に細心の注意を払い、インタビュー中、質問の答えに込めていたものよりも遥かに入念な思考を持って、歌詞を創っていた》
語っています。(注1) フレディ・マーキュリー自身も、《僕の曲は、僕の感情なんだ》と何度か答え、ギターのブライアン・メイは、《フレディの歌詞には内面が表れている》 と述べています。いくつかの鍵となる歌詞を選びフレディ・マーキュリーの生きた姿を描けたらと思います。
さらに、フレディの違う側面に、光を当てるために、文学者のアルベール・カミュと、ミュージシャンのフレディ・マーキュリーの二人に共通して流れるものについても描いています。
謎めいて、誤解を受けることも多いフレディ・マーキュリーですけれど、マイノリティーとして生を受けながら、そうした縛りを抜け出し、自由で独自の創作を繰り広げた才能は驚くほど多彩です。
フレディ・マーキュリーを、まったく知らない方にも、
クィーンや、ロック音楽を知らない方にも、
フレディ・マーキュリーの曲や歌を愛している方にも、
「ボヘミアン・ラプソディ」の映画を観て、興味を持たれた方にも、
ぜひ読んで楽しんでいただけたら、嬉しいです。
(注1)グレッグ&サイモン編集「フレディマーキュリー 自らが語るその人生」
著者:島永嘉子(しまながよしこ)
県立静岡高校卒
早稲田大学文学部心理学専修
民間企業勤務を経て全作家協会所属
世田谷文学賞
伊豆文学賞最優秀賞他
「碧く輝く村の奥へ」創造書房発行
「弟 真人」のべる出版企画 かりばね書房発行
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