画像や写真は、文字だけの情報だけよりも、直接的に脳に入ってくるため、理解度を増幅してくれます。
そして、本の中に掲載される挿絵も、その役割を持っています。
電子書籍にも挿絵を入れることができますが、いくつか注意点があります。
電子書籍の中に、画像や挿絵を入れたいと思う場合があるかと思います。
ただ単に、文字だけで説明するよりも、図や画像を入れることによって、読者にイメージをさせやすくなったり、書籍の内容をわかりやすくするメリットがあります。
ただ、Kindle書籍に図や画像データを挿入する際は、いくつかご注意点がありますので、そのご注意点を、ここでも共有させていただきます。
目次
- Kindle本の総容量は50MBまで、1枚当たりの画像は127KBまで
- Kindleがサポートしている画像形式
- 容量が大きすぎると、3G回線ではダウンロードできない
- 容量の削減方法
- 最終的な容量は、出版後に確認する
Kindle本の総容量は50MBまで、1枚当たりの画像は127KBまで
まず最初にご紹介する点は、Kindle本の総容量についてです。
実は、Kindle本には、アップロードできる最大容量が決まっており、KDPにアップロードできるデータサイズは、50MBまでとなります。※50MBを超えるとKDPシステムにてアップロードができずにエラーになってしまいます。
2014年5月19日に、Kindle本として出版できる容量が大幅にUPしました。
- 本のサイズ: 50MB → 650MB
- 本の中に利用できる画像ファイルサイズ: 127KB → 5MB
コメント:今回のファイル容量上限の大幅なサイズUP(なんと、本のサイズは、これまでの13倍アップ!)によって、Kindle本を出版する際には、ほとんどファイル容量を気にせず、電子書籍データを制作することができるようになりました。(さすが、アマゾン、ユーザーが困った点を、改善し続けてくれますね!!!)
また、現在(2014年5月)、10 MB以上の書籍に関する70%ロイヤリティの配信コストも差し引かれないようになっております。
ほとんどの場合、電子書籍の容量が、50MBを超えることは無いと思いますが、画像や挿絵が多くある場合、データ容量が多くなってしまいますので注意が必要です。
また、一枚当たりの画像についても、容量制限がありますので、ご参考までにご紹介させていただきます。
・リフロー型:127KB → 5MBまで
・固定レイアウト型:256KB → 5MBまで
・漫画コンテンツ:800KB → 5MBまで
※そこで、通常の電子書籍に多いリフロー型の画像の挿入については、おおよそ50枚~100枚程度であれば、問題なく総容量は超えずにアップロードできると思います。
Kindleがサポートしている画像形式
また、Kindleがサポートしている画像形式は下記の通りとなります。
・GIF、JPEG、PNG、BMP、SVG形式
ちなみに、通常、写真などのグラデ―ジョンが多い画像の場合はJPEG形式、イラストや文字情報などのグラデーションが少ないベタ画像は、GIFやPNG形式が適しています。
また、下記のような画像は、アマゾンに“品質不良”として拒否されてしまう場合もありますので、注意が必要です。
▼ご参考:品質拒否されてしまう可能性があるもの
・小さくて見えづらい写真や画像
・画質が劣化し過ぎてしまっている写真や画像
・アンチエイリアス処理が不十分で、ギザギザしてしまっている写真や画像
などがあります。
容量が大きすぎると、3G回線ではダウンロードできない
Kindle書籍は最大容量は50MBとなりますが、もう一点だけ注意点があります。
それは、Kindle本の中には、容量が大きくて3G回線でダウンロードできないものもあるということです。
50MB以下だけど、ある一定の容量を超えると、アマゾンでの販売ページに以下の文言が追加されます。
※この本はファイルサイズが大きいため、ダウンロードに時間がかかる場合があります。Kindle端末では、この本を3G接続でダウンロードすることができませんので、Wi-Fiネットワークをご利用ください。
※ご参考例
アマゾンの販売ページに記載の通り、Kindle本の容量が大きすぎると(大体10MB以上)、3G回線ではダウンロードができませんので、ユーザーにとって、不便な場合があります。
そこで、可能であれば、電子書籍の画像などの容量を削減して、3G回線でもダウンロードできうようにしておいた方が無難です。(もちろん、Wi-Fi回線が利用できれば、問題なくダウンロードができます。)
容量の削減方法
そこで、画像を削減する方法としては、下記の方法が挙げられます。
1)PhotoShopなどの画像編集専用ソフトで画像を圧縮する
2)無料の画像圧縮サイトを利用する
通常は、1つ目のソフトを利用して、画像の劣化状況なども確認しながら、画質とデータサイズを最適なところにもっていくべきですが、簡単なところでは、2つ目の無料サイトを利用することもできます。
以下に、代表的な画像圧縮サービスをご紹介しておきます。
▼PNG画像を可逆圧縮してくれるWebサービスです。
PunyPNG
▼こちらはJPEG画像を劣化を少なくして圧縮してくれます。
JPEGmini
▼こちらも、PNG画像をしっかりと圧縮してくれます。
tinypng
電子書籍に挿入したい画像を圧縮したい場合は、上記のようなサービスも利用すると、効率的に作業が進められると思います。
最終的な容量は、出版後に確認する
ちなみに、アマゾンに電子書籍データをアップロードすると、アマゾン側でデータの変換が行われますので、元ファイルのデータ容量と変換後のデータ容量は異なります。
そこで、最終的な総容量の確認は、しっかりと出版後のアマゾンの販売ページでも確認するようにしましょう。
※総量量は、アマゾンの販売ページに表示されます。
また、70%のロイヤリティを選択されている場合は、容量に一定の配信コストがかかりますので、なるべく容量を抑える工夫をすることをおすすめします。
※配信コストについては、下記の電子書籍の印税率と価格についてをご確認ください。
電子書籍の印税率と価格について
さて、以上が、Kindle本に画像を挿入する際のご注意点となります。
電子書籍に利用する図や写真は、本文を補足する大切な情報となります。
ただし、大量に画像を利用する場合などは、容量制限がありますので、ここで記載している注意点を参考にしていただければと思います。